【最新事例】現役女子高生に探る!拡散力ある動画の秘訣

週刊?!イザワの目

2014/04/10週刊?!イザワの目

日本の女子高生を中心に支持されてきた携帯電話での「自分撮り」写真は、今や「セルフィー(selfie)」と呼ばれ、世界中で人気。企業も新たなPR手法として自社キャンペーン等に取り入れつつありますが、早くもブームの波は動画に移りつつあります。この動画ブームを牽引しているのが、なんと日本の高校生。アプリを駆使し、おもしろ動画を次々に生みだす秘訣はどこにあるのでしょうか。また、その動画がヒットするには、どんな要素が必要なのでしょうか。現役女子高生と共に探っていきます。

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■6秒動画でブレイク

「人気があって、みんなが見てるのは、『reika oozeki』とか『けみお』」と話すのは、都内の高校に通うハル子さん(仮名)、高校2年生だ。『reika oozeki』は、いわゆる一般の女子高生。『けみお』は高校生向けカルチャーマガジン「HR」のモデルだが、こちらも現役の高校生。2人とも動画アプリ「Vine(ヴァイン)」で投稿できるループ再生の6秒動画が「面白すぎる」として、昨年、火が付き、中高校生を中心にブレイクを果たした。「Vine」で作ったループ動画は、連携しているTwitterに投稿できることから、今では『reika oozeki』は20万以上、『けみお』は37万以上のTwitterフォロワーを国内外に持つ。

●『reika oozeki』さんのVine

学校から帰るとき。彼氏の前と友達の前。

https://vine.co/v/MaDbbMlwudm

海外の人の自撮りと日本人の自撮りと私の自撮り。#selfie #自撮りあるある

https://vine.co/v/MiuZ7t3zbT0

●『けみお』さんのVine

【JKヒストリー】あなたの裸眼に恋させて

https://vine.co/v/h2pILugaivL

クラスメイトのバレンタイン事情

https://vine.co/v/M7KW1QmL5Z9

■とりあえずやってみる

なぜ『reika oozeki』や『けみお』の動画は、ここまで話題を呼ぶのだろうか。「とにかくくだらないところが面白い。Twitterでたくさんまわってくるからつい見ちゃうし、真似したくなる」と、ハル子さん。「マカンコウサッポウとか進撃の巨人ごっことか、スクールラブの写真モノもそうなんだけど、動画も同じ。ネットに転がっている面白いものを見つけてきて、真似することは多い」(レイ子さん 仮名/都内高校2年生)そうだ。

『reika oozeki』や『けみお』に代表される、高校生に人気の動画は、学校や街中で見かける人のモノマネや日常生活でちょっと気になった言動や事象など、高校生にとって身近で共感できるテーマが多いだけでなく、ヘン顔や、奇声を発するなど、自分の体ひとつでできるものが多い。面白くて、テーマが身近、さらに特別な道具がなくても真似できると判断すると、「とりあえずやってみる」(カナミさん 仮名/都内高校2年生)のが今の高校生のスタンス。自分で工夫できる余地があるなら、さらにいい。「自分たちなりの工夫を加えて、いかにクオリティを上げていけるか試すのも楽しみ」(カナミさん)なのだ。彼女たちにとって、動画で何かを表現するということは、もはや特別なことではない。スマホが普及し、動画アプリが充実した今、動画は日常のリアルコミュニケーションの延長にある。

■場の提供がカギ

一方、企業がキャンペーンやプロモーションの一環で動画を使う時、動画はリッチコンテンツの一種として捉えられていることが多く、特別視されやすい。特に日本企業は、「動画」で商品や企業紹介さえすれば企業PRになる、と思っているケースが散見される。日常のコミュニケーションの延長として動画を活用している生活者と、一方的に動画を提供しがちな企業との意識のギャップを埋めなければ、本当にヒットする企業の動画キャンペーンやプロモーションは生まれないだろう。WEB動画先進国である欧米諸国では、早くもこの意識のギャップを埋めるような、生活者が思わず動画を撮りたくなる「場」を提供する、という企業キャンペーンが注目されている。

■余地を残す

アメリカに本社を置く炭酸飲料「ペプシ」で有名なPepsiCoは、砂糖不使用でカロリーゼロにもかかわらず、味は従来のペプシと変わらない「アンビリーバボー」な新商品を訴求するために、ロンドンのとあるバス停でドッキリを実施。一見、なんの変哲もないバス停の側面のガラスに、AR技術を用いて、突然、非現実世界を映し出すという仕掛けを施した。バス停で人が待っていると、日常の風景が透けて見えていたガラス面に、何の前触れもなく、隕石が落ちてくる映像や、マンホールから巨大なタコの足が現れて人をさらっていくという「アンビリーバボー」な映像が映し出されたのだ。これには思わず、バスを待っている人が逃げ出してしまい、ドッキリは大成功。この様子を撮影した動画はYouTubeでも人気となり、現在では500万件以上閲覧されている。

http://www.youtube.com/watch?v=Go9rf9GmYpM

拡散のポイントとなったのは、このドッキリの様子をスマホで動画撮影しようとたくさんの人が実際にバス停に押し掛けたことにある。ただ撮影をするのではなく、それぞれに工夫を凝らし、実際に自分が、隕石から逃げたり、タコに襲われているかのような動画を撮影する人が数多く現れたのだ。企業の仕掛けに、生活者が加工・工夫できる余地を残したことがヒットの秘訣だろう。

「面白ければみんなに教えたくなるでしょ。で、自分でもっと面白くできないか試したくなるんだ」とレイ子さんは話す。動画で伝えることが重要なのではなくて、生活者が自然と動画で伝えたくなるような「場」や「ネタ」を提供することが重要なのだ。「真似したくなる」「身近」「特別なものは不要」、女子高生の日常にヒット動画を生み出すヒントは溢れている。

(原稿:オオモリ、イマニシ、タケウチ)

この記事を書いた人

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2011年10月20日創刊。
電通PRの若手社員による、電通本社および電通グループを対象に配信しているメールマガジン。2012年11月に全面リニューアルを果たし、現在は瓦版スタイルで発行中。国内外の旬なPR事例を取り上げて解説する特集や、旬な人のインタビューが人気。2014年3月、満を持してマイクロサイトに登場! オリジナルコンテンツなどもアップしていきます。

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