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旅への渇望を刺激するサイト「Wanderlust」 -読者の心に残るコンテンツを追い求めた挑戦-

週刊?!イザワの目

2016/09/29週刊?!イザワの目

旅に出ようと思った時、その地にまつわる情報を手に入れたいと思う人は多い。おいしいお店はどこ? 見るべきものは何?「旅を効率よく充実させるためのおススメ情報を知りたい」という生活者のニーズに応える旅メディアは、ここ数年でドッと増えたように思う。そんな中、少し変わった旅メディアがある。旅先のインフォメーションではなく、そこにあるのは小説やエッセイのような「旅作品」。『Wanderlust(ワンダーラスト)』という名のメディアだ。

なぜ、今「旅作品」なのだろう。果たしてそれは、読者が求めているものなのだろうか? 編集長に、その真意と設立にかける思いを聞いた。

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Wanderlustは、今年7月に誕生した。コンセプトは「『人生を旅する』あなたにグッとくる、コラム系旅サイト」。年齢や経歴もさまざまなライターたちが、「旅」を通じて各々の内面に秘められた世界観を表現している。例えば、「30年前のガイドブックで四国を旅する」や「日本!ロークオリティ旅」など、ちょっと変わった旅の楽しみ方にチャレンジするものや、ぬいぐるみとなった祖母との傷心旅行を通じて主人公が癒やされていくといった現実とフィクションを行き来するような小説まで...。形式は何でもあり。決められているのは、「旅」というテーマのみだ。なぜ、このようなメディアをつくったのだろうか?

作り手の思いを伝えたい

Wanderlustの山下千絵編集長(24)は、自身も旅を趣味とし、旅情報のキュレーションサイトをよく見るという。検索すれば美しい景色や魅力的な観光地、おいしいお店など欲しい情報がぱっと出てくる。もちろんそれは便利だ。しかしその半面、すぐに情報が消費されてしまう気がしていて、疑問も抱いていた。「自分が情報を受け取るなら、作り手の思いがビシバシ伝わってくるようなものを読みたい」。例えば、何カ月もかけて作られる雑誌や本には、編集者の情熱とプライドが詰まっている。

たくさんのコンテンツが生み出されては流れていく中で、本当に読者をつかむコンテンツは一体何なのか? それを問い続けた結果、ライターたちの思いが詰まった「旅作品集」が生まれたという。「膨大な情報の中でわざわざサイトに来てくれた人の心に残るメディアを自分は作りたい。書き手の思いやこだわりは、読者にも伝わります。逆に言うと、手を抜けば、それも読者には分かってしまいます。誰でも簡単に発信者になれる今の時代だからこそ、これからは『読み物としての価値』が一層問われていくのではないでしょうか」。

あえて「型」は作らない

今、人気といわれるキュレーションサイトを見ると、記事のレイアウトや表現方法などが統一されており、メディアとしての「型」があるように感じる。多くの情報を読者にわかりやすく届けるためにどういった表現や型が適しているのか常に研究し、そこに、そのメディア"らしさ"が現れる。しかしWanderlustでは、あえてそういった「型」を作らないようにしているという。「小説もあれば、イラストで旅のポイントをまとめたコラムもあります。ライターさんの個性やクリエイティビティを最大限生かすようにしているんです。でも型がないからこそ、読み手はひとつひとつの文章を読むときに、この作品のテーマは何か? 書いている人はどんな背景の人なのか? という観点から入ります。だからライターさんには、自分や主人公の人となりをなるべく詳しく書いてもらっています」。文章を読むというよりも、ライターという"人"の話を聞いてもらう、そんな感覚かもしれない。

Wanderlustの中で読まれる記事は、ライターの知名度の高さというよりも、「どれだけ共感を呼べたか」という点にかかっているという。だから、記事のすべてが「きれいごと」である必要はまったくない。「ライターさんには自分の黒い部分も弱い部分も、全部さらけ出してもらっています」と山下編集長。例えば、ライター真崎睦美さんの、「『東京から沖縄に移住して、私はのんびり生きやすくなりました』という美談を書けると思っていたけれど」という連載は、会社を辞めて沖縄でフリーランスを始めた自身の葛藤を書いたエッセイ。この連載は、「『組織から逃れて好きなことを仕事にすれば楽しく生きられる』と信じて会社を退職し、フリーライターになってから約1年。仕事と焦燥感と将来への不安に追われて、久々に死にたくなっていたタイミングだった。」という何とも重い語り口で始まる。だが、これが東京の波に揉まれ、悩める人たちの心をつかむ。人は、自分の弱かったり醜かったりする部分にこそ、共感を求めてしまうのかもしれない。

いつものガイドブックは"旅に必要な情報"をくれる。一方、Wanderlustに書かれていることは、必ずしも旅のニーズに合った情報ではない。たぶんWanderlustは、私たちの"旅への渇望"を刺激しているのだと思う。直接的に、その地に行ってみたいと思わせるだけでなく、「あぁ、旅に出たい」という欲望を駆り立てるのだ。特に、「人生という旅」に迷っている時には...。職場と家を行き来するばかりの毎日を飛び出して、冒険してみればいい。旅することでいつもとは違った視点で、俯瞰的に物事を考えられたりする。Wanderlustは、そうガイドしてくれる、新しい旅メディアではないだろうか。取材を通して、そう感じた。

Report by Ayako Sato

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この度、私もWanderlustでライターデビュー。この夏、クロアチアとスロベニアを訪ねて感じたことを書きました

「人生という旅」に迷ったら、Wanderlustをのぞいてみてください。きっと今のあなたの心に刺さる、「旅作品」に出会えるはずです。

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http://wanderlust-travel.jp/

"ありきたりじゃない旅ガイド"として、新進気鋭のライターたちが書き下ろした小説やエッセイのような「旅作品」を、日々公開中。読んだ人を、旅へといざないます。運営元はブラーブメディア。編集長は山下千絵さん。「表現することと旅が大好きな1991年生まれの博多っ子。冷静と情熱のあいだ」(本人談)。

この記事を書いた人

週刊?!イザワの目
Editorial department

2011年10月20日創刊。
電通PRの若手社員による、電通本社および電通グループを対象に配信しているメールマガジン。2012年11月に全面リニューアルを果たし、現在は瓦版スタイルで発行中。国内外の旬なPR事例を取り上げて解説する特集や、旬な人のインタビューが人気。2014年3月、満を持してマイクロサイトに登場! オリジナルコンテンツなどもアップしていきます。

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