デジタル時代の企業広報にかかせないメディアの役割 VOL.7

情報流通構造

2014/02/13黒澤 光

-いま最も注目されるニュースキュレーションアプリ「SmartNews(スマートニュース)」。

先週、スマートニュース社から大きな発表がありました。

「SmartNews(スマートニュース)」、300万ダウンロードを達成‐共同通信PRワイヤー

2012年12月のサービス開始以来、14ヵ月でアプリのダウンロードが300万を達成したのです。2013年10月に200万ダウンロードを達成してからわずか4ヵ月で、300万ダウンロードに到達しています。また、ダウンロードだけではなく、実際のユーザーの利用も活発で、2014年1月の月間アクティブユーザー率は、75%に上ります。これはひとえにアクティブなユーザーの期待に応える質の高いニュースの配信をスマートニュースが配信できているからでしょう。今回は、いま最もニュースキュレーションアプリで注目されるスマートニュース社の執行役員 事業開発担当・藤村厚夫氏にお話を伺いました。

SmartNews発表会写真.JPG

■藤村厚夫氏プロフィール

執行役員 事業開発担当

1978年法政大学経済学部卒業。株式会社アスキーで月刊誌編集長、ロータス株式会社(現日本アイ・ビー・エム株式会社)でマーケティング責任者を経て、株式会社アットマーク・アイティを起業。その後、アイティメディア株式会社代表取締役会長。デジタルメディアの将来像設計を主題に活動中。

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-スマートニュースデータ   ※スマートニュース株式会社発表資料から抜粋

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■ SmartNewsについて https://www.smartnews.be/

SmartNewsは、スマートニュース株式会社が2012年12月にリリースしたスマートデバイス向けニュース閲覧アプリです。Twitterのつぶやきをリアルタイムで解析し、「今、人々が話題にしているニュース」を、閲覧しやすい快適なインターフェイスで配信しています。Twitter解析による独自のコンテンツ選定技術に加え、日本語構造に基づいた最適な改行や文字間調整、紙をめくるようになめらかなユーザーインターフェースを特長としています。抜群の読みやすさにより、多くのユーザーから高い評価をいただいています。

■ スマートニュース株式会社について http://www.smartnews.co.jp/

スマートニュース株式会社は、「世界中の良質な情報を必要な人に送り届ける」ことをミッションとし、2012年6月15日に設立された企業です(創業時社名:株式会社ゴクロ)。独自開発のTwitterリアルタイム解析技術を基盤に「SmartNews」を運用する当社は、多方面での事業協業を目指し、順次メディア各社の皆様に提案を行っています(2014年2月3日現在、55社102媒体との提携および協業が進行しています)。

-いまさら聞けない「スマートニュース」について

黒澤光(黒澤):スマートニュースの配信・掲載はどのような仕組みで行われていますか。

藤村厚夫(藤村):スマートニュースは、操作性が易しく、さまざまなニュースに触れてもらうアプリとして提供しています。一方、その裏側では、大規模で複雑なシステムを組んでいます。ビッグデータの分析をリアルタイムで行っています。しかもそれらは全てクラウド上で行っています。オフィスを見渡していただいても、よくイメージされがちな大規模なコンピューターやサーバーの陳列などはこの中にはありません。

実際にどのようにニュースを集めているかですが、世界中のTwitterユーザーが毎日発信するツィートを1,000万件以上収集しては、その中に含まれているさまざまな記事へのリンク(URL)を抽出し、それにいくつもの処理を行い、最終的にスマートニュースアプリに数百から1,000件程度に絞り込んでコンテンツを配信しています。

リアルタイムで解析しているということは、言い換えると、これから数時間後にどんなニュースが話題になるかの"未来予測"をしているとも言えます。

これらをまとめると、記事を"いま、そして未来の視点でスコアリング(注目度判定)している"ということになりますね。スマートニュースのレイアウトをみてもらうとわかりますが、記事の表示位置やレイアウト上の違いは、そのスコアリングによる差と言えます。

【Twitterのリアルタイム解析イメージ】

リアル解析イメージ.jpg

【スマートニュースアプリ画面】

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黒澤:ソーシャルなデータの中でもTwitterに注目している理由は。

藤村:2つの観点があります。1つは、非対称であるTwitterの特性に注目しているからです。「1対n(複数人)」というTwitterフォロー/フォロワーの関係が、判断基準の材料として、公平かつ適切だと考えているからです。

一方、たとえばFacebookを例にとると、"友達"という相互のつながり(対称性)が強いため、ある情報(投稿)を自分の友達が興味を持ったものという視点で、「いいね!」をしがちです。そうなると情報のドライな評価という観点では、少し違うものとなってしまうかもしれません。

Twitterではよくも悪くも、その関係性がドライであると見ています。数多くあるコンテンツに対し、より冷静かつ客観的な判断をするにはTwitterの方が適切だと考えています。

もう1つの観点は、Twitterがデータをよりオープンに提供しているので、その仕組みが非常に使いやすいためです。

黒澤:たった10人で開発と運営をされているのですよね。スーパーエンジニア集団ということでしょうか。

藤村:さまざまなデータやコンテンツがどんな関係をもっているのかビジュアル化(ネットワーク化)するサービスを開発してきたのが、当社代表取締役の浜本です。例えば、検索エンジンのGoogleにおいては"ページランク"と呼ばれているアルゴリズムが、根本的な価値の尺度を作り出しています。これにはウェブページへのリンク数という累積的な価値が基本にあります。時間の経過に伴ってリンク数が増えていくというものです。

一方、Twitterでは、瞬間瞬間で関心が高まっては減衰していくというリアルタイム性が際立っています。いま、この瞬間、どの記事やURL(ウェブページ)が話題や関心事になっているのか、リアルタイムに話題の価値を捉える視点が得られます。スマートニュースのビジネスの中核には、このようなTwitterの特性を活かしたビジネスを見いだしたとは自負しています。

黒澤:どのような方にスマートニュースを見てもらいたいですか。

藤村:普通の方に見てもらいたいと思っています。基本的な配信設定としては、1日3回にセットしています。もちろん任意に更新を行えばリアルタイムで配信できる仕組みでもありますが、1日の中でニュースに触れるタイミングは人それぞれです。常に情報を見ている人もいれば、思いついたすき間時間を使って見る人もいます。その人のライフスタイルにあわせて見てもらえればと思っています。情報がたまり過ぎて、それがストレスとなり、結果使われなくなるという悲劇は本意ではありませんので。

黒澤:ニュースをセレクトする編集や編成については人の手が入るものでしょうか。

藤村:ニュース記事の選択から配信に至るまで、全く人手を介していません。スマートニュース社は10人足らずで、数百万ユーザーを支えているサービスなのです。

多くのポータルサイトでは、ニュース記事を人の判断でセレクトして配信しています。スマートニュースでは、ニュース記事は多くの人々の集合知によって選択されており、そこに改めて人による判断は入れません。

黒澤:他にスマートニュースの特徴があれば教えてください。

藤村:これまでお話を申し上げてきたことは、仕組みについてなので、ユーザーには見えない部分でした。見える部分についても非常にこだわりをもってやっています。それは"ユニークな操作体験"です。記事の見出しの処理もその一つで、日本語を解釈して適切な改行位置を決めています。どこで改行すると読みやすいか、自動的に処理しています。サムネール写真でも、人の顔が不自然に切れないように処理しています。そのように、ユーザーが記事の見出しや写真でも、気持ちよく、視認性が高いインターフェイスづくりを常に心がけているということです。

黒澤:見えないところでの大規模データを複雑な仕組みでプログラムされているのと、見える部分でのさまざまな工夫がなされていることがよくわかりました。

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次回は、これからのスマートニュース社のビジョンや今後の展開について、また、この情報環境時代において、企業広報におけるメディアとの取り組みに必要とされる要素など、引き続き、藤村氏よりお話を伺います。

(取材:スマートニュース社)(敬称略)

この記事を書いた人

黒澤 光
Chief Communication Designer

デジタルコミュニケーション室/デジタルソリューション部長
2004年から電通グループのデジタル関連企業(PC/モバイルのメディアプランニング)に所属
2007年より電通PRに所属し、デジタルPRの体系化を推進
2010年から2年間、電通グループデジタル領域を統括する関連会社(電通デジタルホールディングス/DDH)へ出向
現在、通信/IT/食品/飲料のクライアントを中心としたデジタルを基軸とする、PRプランニング活動およびソリューション開発に従事

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