コンテンツマーケティングの極意を語る!『Think Like a Publisher』重版記念イベントレポート

コンテンツマーケティング

2014/04/30國枝 至

4月15日(火)に、いま下北沢で話題の書店「B&B」にて、記念イベント「実践者に聴く!コンテンツマーケティングの極意」が開催されたので、取材に行ってきました。

このイベントは、電通PRと電通iPR局による翻訳チームが共同で翻訳し1月27日に出版された『Think Like a Publisher~コンテンツマーケティング27の極意』の早々の重版を記念して開催されました。(おめでとうございます!)

電通PRからは書籍の翻訳に携わった、ストラテジック・プランニング・ディレクターの阿部達典が参加しました。

abe.jpg

まず前半は阿部が書籍のテーマである「コンテント・マーケティング」について、スライドを交えながら解説。

コンテント・マーケティングとは「相手を惹きつけて満足させる手法の総称」であり、コンテンツを作ることが目的なのではなく、相手(生活者)が満足することを考え、相手に最適な手法を用いて伝えてゆくことが大切である、とのこと。

コンテント・マーケティングというと、とにかく「話題になるものを作ろう」「面白いものを作ろう!」「製品の魅力が伝わるコンテンツを作ろう!」と作ることばかりを考えてしまいがちですが、実際には受け取る生活者が何を望んでいるのかを徹底的に考えることが大事であるというわけです。

また、「最初にすべきことは"誰に向けてそのコンテンツを作ろうとしているのか"を深く考え決めること」であり、「誰に対して?」というターゲット設定と、そのターゲットとなる対象者にどのような価値をもたらすことで彼らを満足させることができるのかを考えることが大切だと説明しました。

「なぜ本を読むのかと聞かれれば、それは知識・教養・娯楽を与えてくれるからだと答えるだろう。コンテンツも同じことで、それが彼らにとって有益なものであれば生活者はより多くの時間を割いてそれを体験するだろう」ということです。

この「誰に対して」「どういう結果(価値)をもたらしたいか」が決まれば、データPR、アカデミックPR、記者発表、ユーザー体験イベント、ムービー、オウンドメディアなどなど、日頃のPR活動でおなじみのあらゆる手段がコンテンツになるわけなんですね。

ちなみに、イベントの冒頭ではニューヨークにいる原作著者のレベッカ・リーブから届いたビデオメッセージを上映し、「コンテンツはすべてのマーケティングのベース。コンテンツがなければソーシャルも広告もない。コンテンツ戦略を理解すればあらゆるマーケティング領域に応用できる」と、原著者が現在もなお研究し続けるコンテント・マーケティングの現在に関するコメントも紹介していました。

 

ここでイベントはショートブレイク。初めて「コンテント・マーケティング」という言葉を聞いた人にも、なんとなく意味を理解することができたと思います。ちなみに「B&B」は書店ですがビールをオーダーすることができ、とてもリラックスした時間を過ごすことができ、登壇しているパネリスト達も思い思いのドリンクを飲みながらカジュアルな空気でセミナーは進んで行きました。

 

bb.jpg

そして、イベントの後半では注目が高まっているニュースメディア「ハフィントンポスト」日本語版編集長の松浦茂樹さん、書籍の翻訳に携わった電通iPR局 クリエイティブディレクターの郡司晶子さんが参加して、「実践者としてのコンテンツマーケティングと、その未来」と称した座談会を開催しました。

松浦さんは、ウェブメディアに携わって感じることについて「いい記事を書けば読んでくれるという世界ではない。パブリッシャーとしてどうやって読者に記事を届けるかを考え、戦略立案をしている」と説明されました。

ハフィントンポストは"読者が何を知りたいか?"から考える編集方針で、読まれたあとの読者の反響(=ソーシャルでの話題化)から多くの方程式を生み出すことで、読者の期待に応えるコンテンツを提供しているのだそうです。「とにかくインプット、アウトプットの量を増やすことが大切。それが少ないパブリッシャーは見たことはない。世の中のさまざまなものごとに対して"なんで?"という疑問をもち、自分の考えをまとめるという作業が重要だ」と極意を語ってくれました。

郡司さんは、昨今のコミュニケーション環境の変化について「デジタルメディアの発達で世の中の声を知ることができるようになった」とコメント。

紙メディアなどは広告を出稿したらその出稿にどのような反響があったかを知る手段がありませんでしたが、デジタルマーケティングでは広告出稿に対するフィードバックが広告主のもとへ返ってきます。「広告のあり方が正常化したのが今なのではないか」と語りました。

阿部からは、コンテンツマーケティングを実感した作業事例を紹介。ある企業が記者発表のためだけに動画コンテンツを作成した事例をもとに、「コンテンツへの予算の考え方が変わってきたのではないか。ターゲットを決めて、一定水準以上のクオリティで作ったコンテンツは、当初の利用目的だけでなく他のチャネルで再利用ができ、その方法も多様化してきた」とコンテント・マーケティングに対する意識の変化を実感しているようです。

 

会場はつねに満席で、編集者、広告やPR関係者、企業の経営者など、さまざまな職種の方々が出席されていました。コンテント・マーケティングに対して幅広い層からの関心がうかがえ、質疑応答の時間には鋭い質問がスピーカーに寄せられました。

書籍『Think Like a Publisher~コンテンツマーケティング27の極意』では、コンテント・マーケティングを実践するための知識・ノウハウを包括的にわかりやすく紹介しています。PRだけでなく、マーケティングに携わっている全ての人に読んでいただきたい一冊に仕上がっています。

コンテント・マーケティングを知っている方は知識の整理に、コンテント・マーケティングをあまりよく知らない方はこれからのスタンダードを学ぶ機会として、ぜひ一度お読みいただけますと幸いです。

この記事を書いた人

國枝 至
Chief Editor / Data Scientist

専門領域はデータマイニングで、未知の世界を探求しつつ、ソーシャルリスニングなどもおこなっています。最重要課題として現在取り組んでいるのは、PR文脈と購買行動の関係性を分析すること。これがまた面白いんですよ。

TOP