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細田知美のMerciインタビュー『"メディア"と"挑戦したいこと"は 常に進化し続ける』ラジオDJ・タレント、サッシャ

キーパーソンの声

2014/08/28細田 知美

Épisode.2:

情報を伝える側の人として、僕が感じていること

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Bonjour! Comment ça va?

第2回のゲストは、DJタレントのサッシャさんです。

出会いは、2010年、慶應義塾大学SFCにて。当時同大学の教授だったコンセプター坂井直樹氏の授業のゲストとしてサッシャさんが登壇。私は仕事でその場に居合わせ、意気投合。そう、クリエイターの草野絵美さんも坂井研の学生として当時在籍していました。

その後、2011年の東日本大震災。それはサッシャさんにとってそして私にも転機でした。家族・仕事など試行錯誤しつつもお互い良い方向へと進み続け、現在サッシャさんはラジオ・テレビ・イベントMCなど多方面でご活躍されています。今回久しぶりにお会いしても、変わらず自然体で接してくれる、そんな素敵な魅力をもつサッシャさんにインタビューをしました。

サッシャ
ラジオDJ・タレント

ドイツ、フランクフルト生まれ。ドイツ人の父と日本人の母。サッシャ様本人画像-thumb-autox195-815.jpgドイツ語、英語、日本語のトライリンガル。今も定期的に両国を往復し続け、日本とドイツの架け橋となるべく活動中!現在は、J-WAVE「BEAT PLANET」(月~木)11:30~14:00のナビゲーター、日本テレビ「世界番付」出演。日本テレビ「金曜ロードSHOW!」映画マイスター。「ツール・ド・フランス」などのスポーツ実況。日本最大級の音楽フェス「サマーソニック」のMC。スタジオジブリ映画「風立ちぬ」で声優(日本語・ドイツ語)とドイツ語監修を担当。

SASCHA OFFICIAL WEBSITE: http://www.sascha348.com
J-WAVE http://www.j-wave.co.jp/
Twitter: @sascha348

■嘘をつかず背伸びをしない

【ともみん】耳に届けるメディアに携わっている情報発信者として気をつけていることは。

そうですね、「嘘をつかない」こと。自分の感情や体調など状況はさまざまですが"真摯"であること。ラジオのお仕事を始めた頃、当時の彼女と別れた翌朝に本番があり、自分を奮い立たせるため、いつも以上にテンションをあげて放送をしたのです。そうしたら「元気ないですけど何かあったのですかというFAXのメッセージ、驚きました。自分では感情を覆い隠すためにいつも以上に明るくしたつもりが、なぜか見抜かれていたのです。その時に、声ってすごい、と思いました。感情に嘘をついても結局バレる。例えば、好きでもないことを好きって紹介したり、いいと思っていないことをいいって言うのはどこかでわかっちゃうんです。このことが強烈で、自分の中で教訓となっています。

僕がいつも情報を伝える際に気をつけているのは、いろいろと紹介する時に必要以上に盛り立てないということ。テレビの場合はビジュアルでも表現ができ、目からの情報量が圧倒的に多いことは確かだけど、僕はラジオで耳だけの表現の難しさも経験しているから、テレビのときも自分に嘘をつかず背伸びをしないようにしています。要するにつくりあげたものとか、自分で無理に加算したものというのは、メディアに慣れ裏側もよく知る現代人には、やっぱり見えてしまうのですね。無理をしても、どこかでつけがくるというような。それは、テレビもラジオも同じで、一番重要なのは、自分をいつわらず、自分自身が等身大でいる、知ったかぶりもしない、ということ。

ただ、ラジオの仕事をしている僕にとっては、耳ってすごいなと、やはり思う。"五感"って全部使っていると神経が5等分される。たとえば夜、全て明かりをシャットダウンすると、今まで聞こえなかった音が聞こえたりする。他の神経を使わないと、聴覚に神経が集中するから。ラジオも同様で、耳でしか情報を得られないと集中する。だから微妙な差がわかる。あ、本当はこの曲いいと思っていないなとかが声でわかっちゃう。人から信頼を得るのは難しいけど、失うのはあっという間です。一度信頼を失うと、もう信用してくれないじゃないですか。だから八方美人でいい顔すると、すぐに信頼を失ってしまう。そういった意味でも、自分の感情に嘘偽りなく、いいと思ったことだけにいいと言うことを心がけています。当たり前のことですけどね。

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あのとき...2011年3月

【ともみん】震災のあと、「情報がたくさん入ってきて、伝えられることと伝えられないことを厳選していくのが大変」と言っていたことが印象的でした。今だから言えること、伝えたいことありますか。

当時、ドイツ政府からの震災に関する情報も多く、僕は情報を発信するメディア側にいる中で、ニュースでは伝えられていない情報などもあり、自分でも混乱していました。確証のある情報でないと伝えるのが難しいなか、正直迷いもありました。僕は報道の人間ではないので、個人に伝えるのはいいとしてもマスメディアで伝えるのは違う。情報を伝えることには責任が伴うし、混乱をただ無意味に生んでも仕方ない。情報の受け取り方は人によって違うので、twitterなどの書き込みを自分が意図していない受け止められ方をされて、すごく悩みました。

2011年、震災の日が金曜日。J-WAVEで、僕は夜レギュラー番組生放送、次の日のナビゲーターが帰国できず翌朝土曜日も出演。たまたま翌週月曜日昼間の時間帯はもともと代演をする予定だったため、震災後に連日で出演した。
ドイツからは、できるだけ西側か遠くへ家族を避難させてください、という話があり、妻と娘は唯一頼れたドイツ行きを決断。現地では国が娘の幼稚園の準備をしてくれた。ドイツでの友達もでき精神的にも落ち着きを取り戻すため、結局1年半滞在していました。
滞在中の2012年の元旦、あるきっかけで家族が朝日新聞に載りました。僕がドイツ帰国時にホールボディカウンターの検査を受けたことを自身のブログでアップしたことで問い合わせがありました。そして家族にも取材したいというお話を頂いたので、僕のことではなく家族への取材であればという条件で取材を受けました。小さな記事かと思っていたのですが発行されてみると大きく掲載されていて僕自身驚きました。元旦に全国紙に掲載されるということはやはり反響が大きかったですね。

震災から3年経ち、東京の街は節電も減り、すっかり元に戻っています。あの時せっかく気づきがあったのだから見直すチャンスだったと思います。日本は熱しやすく冷めやすい傾向がありますが、いつの間にか元に戻っちゃうところが残念ですね。最近また街の灯が明るすぎる感じがしませんか?

■いかに自分と関わりがあるのか

【ともみん】海外メディアに接する機会も多いと思いますが、日本のメディアはもっとこうすべき!と思われることありますか。

例えば、ニュース。僕が一番違和感をおぼえるのは、日本人が関わっていない海外のことはサラっとしか触れないこと。日本のメディアだけがすごく極端で特殊ということはないけど、日本人が負傷者にいなかったからよかったね、ということではないと思う。エボラ出血熱や集団的自衛権のことにしても、日本がどうなのかということだけでしか興味がなく、海外からどう見られているかしか話題にならない。自分たちが海外との関係をどうするとか、海外の実情はどうなのかということには関心が比較的薄くて、人からどう思われているのかということはすごく気になる。

でもそれを言い出すと、日本の教育や文化そのもの全てに関わってきてしまう気がします。"個性"を育てようというけれど、ともすれば一方でワガママにも捉えられてしまう傾向がありますが、個性というのは"他者のことを比較しない"ということだと僕は考えます。その人自身がどうかってことだと思う。それは国家間でも同じで、他国と比較してどう思われるかで成り立っていることが多すぎると思う。他の国が海外のことを気にしないかといったらそんなことはないけれど、海外の人は、自分の国がこうでありたいから自分はこうするといういい意味でのエゴがある。

ニュースもそういう観点でとりあげることは多いかな。残念なのは海外からみると、日本って自信が無いと受け取られてしまう可能性があること。立ち位置が決まっていない、ブレているように見えてしまう。それはメディアでも同じで、そこがすごくもったいないと思う。そのニュースとりあげて視聴者は興味あるのか、もし興味がないならいらない、というような観点で選んでいるように思えてしまうことが結構あるんですよね。でもそうではなくて、それがいかに自分と関わりがあって、自分たちのまわりで起きていることと関係ありそうだということを伝えていかなくてはいけないのがマスメディアの役割だと思うんです。情報番組がいきなり冒頭からエンタメでどこの芸能人がどうとか、それって日本では普通になっているけれど、ドイツなど他の先進諸国からみたらとても不思議です。

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アンダーグラウンドで有名になれる

【ともみん】メディアが相互に交わり新しい形を生んでいくことをどう思いますか。これからのメディアはどうなる?

僕は、今、「個」がメディアになれること、これはいいことだと思っている。ブログやYouTubeやSNS、一般のありとあらゆる人が自分のメディアをもてる今、重要な

のは、それらがどのメディアとその都度結びつき拡散されていくかということ。それはその人の発信力や発信の仕方にもよるけれど。10年前頃までは、そもそもメディアの世界にいなければ、メディアそのものに登場することなどが難しく、一般の人が情報を発信することはまずできなかった。しかし昨今、自分の意志と発信する場があれば自然といろいろ繋がっていく。昔は、全くマスメディアには出ないがアンダーグラウンドでは有名という人はほとんどいなかった。でも今は違う。それをアンダーグラウンドということで無視しつづけるのか、それともそれをピックアップすることでオーバーグラウンドに出してくるのか。つまりアンダーグラウンドのままにし

続け、見ないようにしているメディアは、それ自体古い。ともするとメディアとしての信頼も失っちゃいますね。
それと同時に一方で、昔はできていたメディアコントロールはマスメディア側はやりにくくなってきたと思うから、それは逆に面白いと思う。

誰もがきちんと問題提起すれば伝わりやすい時代。ただ情報が溢れ過ぎているからどう精査するか、何をすくい上げて取り上げるのかが難しいところですよね。そういう意味で僕は最終的にどういうメディアをつかってどう発信するか、どうすれば自分の言いたいことややりたいことが知りたい人や社会に伝わるかということを念頭に活動しているつもりです。

僕の話でいうと、J-WAVEの数年前の番組で生放送中にUstreamを取り入れた。興味本位というのはもちろんあるけれど、その当時まだパソコンやスマホでラジオが聞けるサービスである「radiko」がなかった。ある時、リスナーの高校生に「ラジオを持っていないから友達でラジオ聴いている人はほとんどいない」と言われショックでした。でも冷静に考えたらそれはそうだな、ラジカセなんていまどき持ってる人は少ないし当然だな、と気付かされました。高校生に聴いてもらいたいけど、いくら頑張ってもラジオ持ってなかったら聴いてもらえない!と。その頃、UstreamのiPhoneのアプリが登場。これならスマホやPCでも見られるし聴けるということでラジオの番組に取り入れました。

きっかけはいろいろだけど、伝えていくという手段を探ることで新しいものが生まれる。これからはその都度、情報をどう打ち出していくのかが大事。今ドイツの文具メーカー、ステッドラーさんなどのポッドキャストをしていますが、企業のWebSiteがメディアになるオウンドメディアも広まっている。リアルな現場から情報を伝えていくことで、よりダイレクトに発信できる時代になっています。

今後、機会があれば挑戦したいと思われることは

やりたいことはたくさんありますね。映画「風立ちぬ」で声優をやらせていただいたのですが、もっとやりたいと思うし、この前の東京スカパラダイスオーケストラのアルバムへの参加や昨年末の紅白歌合戦への出場と、音楽との関わりもさらに広げたいです。今までは伝える側だけだったけど、音楽に直に参加するとアーティストの気持ちが少しわかるようになってきました。伝え手としてラジオでの曲紹介やアーティストにインタビューする時に、自分が出演した経験が生かせたという実感がありました。会った瞬間にその人との距離感を縮められる要素として、もっといろいろなことができるといいなと思います。

自分が活動している中でのひとつのゴールというか軸としてあるものは、ドイツと日本の距離を近づけること。今、「なんでもワールドランキング ネプ&イモトの世界番付(日本テレビ系列)」に出演させていただいているのも、もっとドイツのことを知ってもらいたいという気持ちがベースにあります。将来的には、逆にドイツで日本との距離を近づけたいということも考えています。あ、「カレーソーセージ」というものがドイツにあって、ソーセージにカレーケチャップというものをつけ、カレー粉をかけるドイツの国民的料理です。日本でもこれを広めたく、お店をやりたいというのが個人的な夢としてあります。

ドイツとのつながりというのは、自分にとってライフワークのひとつです。自分の使命だと思ってます。僕がアクションすることでドイツに興味を持って、国を知ってくれることは嬉しいです。ドイツ旅行をプロデュースしたりというのも面白いかもしれないですね。「サッシャプロデュースのドイツ旅行!」とか、とにかくきっかけになってくれると嬉しいです。

挑戦したいことは様々な活動の中で増えていくのできっと半年に一回くらい変わるんじゃないかって思います(笑)。毎日がとても刺激的なので!なんでもドンと来いで、いろいろなことに挑戦したいです。

Grâce à vous グラース・ア・ヴー  あなたのおかげで

■晩餐でのスペシャリテ

『リーズンカリーヴォースト』
インビス・ハライコ

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日本で唯一のドイツhareico社のソーセージ専門店。
店内にはさまざまなソーセージが用意されていて、注文するとこんがりとソテーしてくれる。サッシャさんのおすすめの逸品は、インタビュー本編でも登場したカレーソーセージこと「リーズンカリーヴォースト」。カレーケチャップをたっぷりかけ、さらにその上からカレーパウダーをふりかけて、本場の味を熱々でいただく。ほんのり甘みのある独特のケチャップの風味が病み付きになること間違いなし。国民的料理にカレー味。もしかしたら、そこにドイツと日本との懸け橋が隠れているのかもしれません。
それにしても、本場のビールとの相性がいい!! 最高。

インビス・ハライコ

東京都港区六本木2-3-9 ユニオン六本木1F

電話 03-5545-5108

http://www.imbisshareico.jp/index.html

【取材協力】
AW ELEMENTS
〒106-0032 東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズヒルサイドB2
http://www.eat-walk.com/

この記事を書いた人

細田 知美
Senior PR Planner

コンサルタント。メディアプロモーター。ファッション誌ライフスタイル誌モノ誌など雑誌の世界を中心に、メディアとのコミュニケーションを築きながら日々活動中。フランス在住経験や、元ジュエリーデザイナー、秘書、広報PRと多様な経歴を持ちインフルエンサーとの交流も多方面に広がっていて、メディアプロモート活動にも大いに生かされている。

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