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細田知美のMerci ! インタビュー/TBSプロデューサー・熊谷信也さん『"リアルな体験は最高の価値"と感じてもらうためのおもてなし』

キーパーソンの声

2015/10/02細田 知美


Episode.5: 

"リアルな体験は最高の価値"と 感じてもらうための おもてなし

Bonjour à tous !

今回は、TBSに赤坂サカスが誕生した2008年からサカス事業に携わっている、TBSテレビの熊谷信也さんです。
 複合施設「赤坂サカス」は、「サカス広場」のほか、「赤坂ACTシアター」やライブハウス「赤坂BLITZ」を備えるエンターテインメントエリア。年間を通して行われるイベントの多くを熊谷さんはプロデュースされています。
 2年ほど前に電通PRの勉強会の講師としてご来社、私と共通の知り合いが多く、その後もあらゆる場所で熊谷さんにお会いする機会が多いのです。以前は、バラエティ番組を制作しており「クイズ100人に聞きました」「ぴったし カン・カン」、またドラマや歌番組などで、ディレクター&プロデューサーとして携わっておられました。
 番組制作からイベントのプロデュースまで幅広くご活躍の熊谷さんに、この時代だからこそリアルでダイレクトに感じる体験型メディアの価値について、お話をお伺いしました。

熊谷信也 くまがい・しんや

TBSテレビ 事業部 赤坂サカス推進部 部長プロデューサー

入社後、制作局バラエティから事業局 イベントプロデューサーへと転身。 趣味はギターとシュノーケル。 「今秋ACTシアターで予定している、「マッサン」に出演したシャーロット・ケイト・フォックス主演の『シカゴ』の公演も楽しみです。」 (熊谷氏談)

赤坂サカス http://sacas.net/

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ダイレクトにエンターテインメントの世界が味わえる空間

TBSテレビの眼下に広がる"赤坂サカス"。テレビ局で運営をされていますが、どのような場として捉えていますか。

 レビというメディアは、一方的で送りっぱなし、視聴者は受け身です。それに対してサカスの空間は、お客様を目の前にしてリアルに双方の反応をじかに感じ合うことができる場だと思います。つまり放送局でありながら、放送やSNSよりもライブでダイレクトなイベントの情報をお客様に提供しているのです。このような"場"は、古代からあったものですが、観客の反応そのものが手に取るようにわかる演劇、コンサート、イベントが私は好きです。スポンサー側にもダイレクトにお客様の反応を見ることができるというメリットもあります。他のテレビ局では広場・劇場・ライブハウスとこれだけお膝元に揃っていないですよね。

 々は、サカスを視聴者へのダイレクトな「おもてなし空間」と呼んでいるのです。TBSを知ってもらう、そしてテレビ放送では見えないTBSの核心部分をじかに、そして存分に味わっていただきたい。ネット社会、バーチャル世界と言われる時代だからこその、リアルな"おもてなし"なのです。

 して、『赤坂サカス』は、ゴロ合わせがよく記憶に残るので、老若男女とも認知度が高いのです。「赤坂サカスに行こう!」という感じ、でね。

他ではできない唯一をつくりたい

最近のサカスのお仕事で、特に印象に残っているものを教えてください。

 年恒例のサカス広場に飲食店が立ち並ぶ人気イベント「夏サカス★デリシャカス」で、今年、特にはやっている"屋外BBQ"をメインに行ったのですが、なんと"炭火"を採用することができたのです! 都会のど真ん中ですよ。平日にビジネスマンが本火で肉を焼く、休日には家族連れがわいわいと訪れて満席。テレビとSNSでの情報波及力もあり大変話題になりました。

 ともと夏サカスは、テレビ番組と人気飲食店がタッグを組んで出店し、スペシャルシェフによる特別メニューなどをご提供していたため、夏サカスはおいしいものが限定で食べられると周知されていたのが功を奏しましたね。

 うひとつ、今手がけている最新のプロジェクトです。ACTシアターで10月10日から公演する次回の舞台ですが、これまた大作なのです。着想から4~5年は経っている大変思い入れのあるものです。こちらについては後ほど詳しくお話しします。

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全てがリアルで嘘がつけない

以前はバラエティ番組やドラマを制作され、現在は舞台などのプロデュースをされています。考え方など変わりましたか。

 レビ番組の制作は面白かったのですが、それ同等かそれ以上にリアルな舞台は好きですね。

 ュージカルなどを招聘する場合は、とにかく世界中から良い作品を探し交渉する。次の作品「No.9-不滅の旋律-」のように自分らが中心になって一からつくり上げるものは、ライブで観るお客様の反応を想像しながら立体的に構成していきます。時間がかかることはもちろんですが、作品はプロデューサーのセンスにもかかってくる。面白いだけではなく経済的にも黒字にしなければならない、ここが大変ですね。

 品の評価は、テレビ番組は視聴率、舞台はチケットの売り上げの結果です。ですから事前と期間中の宣伝告知はとても重要。舞台公演はチケットの数も限られているのでリアルで感動を得られる人の数は限定されます。が、事前にテレビ番組でメイキングなども含めて作品の予告を全国に放映すると、その反響がとにかくすごいのです。しかし、反響が無ければチケットも売れない。赤字も覚悟という事態にもなりかねません。その後実際に舞台を観たお客様がリアルな感想をSNSで発信拡散、そこから口コミで観てみたいという観客動員力が開演後にアップすることもあります。

 舞台は、公演している時間全てがリアルで、嘘はつけない。何が起きても最初から最後まで、全てを目の前のお客様が凝視しています。言いようのない緊張感ですが、とにかくそれが面白い。そして舞台は上映期間中、毎日毎回違います。いや本当に機会があれば同じ公演を二度三度見てください。せりふが同じであっても一つとして同じ舞台はないことに気づくはずです。

それでも、テレビは影響力がある

TBSでお仕事することになったきっかけは。

 学時代からフリーのライターとして平凡出版(現・マガジンハウス)で仕事をしていて、書くことで生計を立てていくつもりでした。ある時TBSのアナウンサーに取材し、受験を勧められたことで、テレビ業界に。出版からテレビの世界へ飛び込み、最初は戸惑いもありました。作るということにおいては出版社もテレビ局も同じですが、その情報を誰に届けるかが違います。テレビは無料の電波に乗って全国津々浦々多くの人々に届くいわゆるマスメディア。出版は全く興味のない人は買わないこともできるというメディア。自分なりに考えて、やはり出版業界でのライターの道を選択し直そうかとも思いました。しかし私の恩師ともいえる方の一言で、現在のテレビの道に進むことを決めました。もちろん結果的に良かったと思っています。

 こ数年のミックスデバイス保持によって、メディアの在り方も大きく変化しましたね。全てにおいてまずは"スマホありき"で物事が進み、雑誌からの情報でもテレビのエンターテインメント番組でも、この小さな機械に乗っ取られているな。(笑)

 しかし、それを現代の一般の人々が受け入れているのであれば、我々はもちろん順応していかなければいけないと思っています。マスメディアと呼ばれていたテレビ黄金時代からは変化してきてはいるが、それでもやはりテレビの影響力というのはまだまだ大きいと感じています。

「№9‐不滅の旋律‐」の見どころは

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  10月10日から赤坂ACTシアターで上演される「№9‐不滅の旋律‐」。すでにチケットはほぼ完売しています。着想から約5年、ようやく皆様にお届けすることができます。きっかけはベートーヴェンという人に興味を持ったこと。これだけ悲劇を抱えた音楽家がいたのかと、彼の生き方にとにかく感動しました。知れば知るほどすごいと思い、これをどうにか舞台で上演したいと思ったのです。主演はSMAPの稲垣吾郎さん、そして初舞台の大島優子さん。最高のキャスティングになりました。

 音楽の天才「楽聖」を抱えてしまった家族の苦悩、30歳で聴力を完全に失うという悲劇に見舞われながらも今に残る名曲を作り続け、劇的な人生を送ったベートーヴェン。限られた上演時間の中で、波乱万丈な一生と彼が生み出した名曲の数々をどう表現するかは我々の腕にかかっています。演出は白井晃さんです。舞台にピアノを3台配置してセットと音全体でベートーヴェンの頭の中をイメージしています。特にクライマックスの交響曲『第九番』は舞台の上で大エンディングらしく表現できたと思っています。

 舞台作品をご覧になりながら迫力ある音楽を体にダイレクトに感じ、きっとご満足していただけることでしょう。まさにここでしか味わえない唯一のリアルな作品です。

 テレビ、デジタル、ライブ、メディアの手法は違えども、我々が追求しているのは"リアルな体験は最高の価値"とお客様が感じてくれることなのです。

【稲垣吾郎主演舞台 「No.9-不滅の旋律-」】

http://www.no9-stage.jp/

本当は教えたくない美味しいお店教えてください! S'il vous plait me dire le meiller.

熊谷さん! "お仕事で成功するとっておきのお店"  お願いします!!


「いや、本当にお店のことは宣伝しないように言われているので、ヒントだけで勘弁してくださいよ」

■『○○S』(和食)広尾

 魯山人など人間国宝級の作家の器と、素晴らしいお料理との饗宴は、まさに芸術。器に負けない料理をつくりたいという思いで、大将が仕事をされています。


■『い○○』(寿司)目黒

 知る人ぞ知る江戸前の名店。全てが天然物でとにかく素材が素晴らしい。お店の品の70%は、大将が全国の選りすぐりのネタを提供してくれる漁師さんと、直接やり取りをしていて仕入れている。これほどのおもてなしは他の寿司屋ではできない。


■『まめ多』(割烹)赤坂

赤坂に構えて30年以上。お酒と季節のお料理をこよなく愛する常連が多い。とにかく女将のお料理はセンスがいい、何を頼んでもおいしいのです。最近、『赤坂「まめ多」女将のおつまみレシピ』という書籍まで発売されました。

この記事を書いた人

細田 知美
Senior PR Planner

コンサルタント。メディアプロモーター。ファッション誌ライフスタイル誌モノ誌など雑誌の世界を中心に、メディアとのコミュニケーションを築きながら日々活動中。フランス在住経験や、元ジュエリーデザイナー、秘書、広報PRと多様な経歴を持ちインフルエンサーとの交流も多方面に広がっていて、メディアプロモート活動にも大いに生かされている。

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