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細田知美のMerciインタビュー/スタイリスト・亀恭子さん『毎日を豊かにするための素敵な仕事』

キーパーソンの声

2014/10/28細田 知美

Episode.3:

「ライフワーク」それはつまり自分の人生を豊かにするための仕事のこと。人生をカラフルにするために私は働き、たくさんの人に出会い幸せを感じる。

Bonjour!

 今回は初めての女性。雑誌やテレビで大活躍の人気スタイリストの亀恭子さんです。

 亀恭子さんとの出会いは、2011年のFASHION'S NIGHT OUT。アナ・ウインター氏の来日で、例年より熱を帯びていたあの日。私のかつての上司である某ジュエリー会社社長と一緒にFNOで表参道界隈の店舗回っていた時に亀恭子さんをご紹介していただきました。そのまま、その日は5人程度でわいわいと表参道界隈を歩いてFNOを満喫。終了後にみんなで「かんぱーい!」しました。それ以来とても仲良しです。亀ちゃんの表裏のないナチュラルな性格が大好き! そんな彼女とガールズトークをしながら、とっておきのインタビューをしました。

亀恭子 かめきょうこ

スタイリストKAMEKY~1.JPG

約3年間のOL生活を経て、2001年女性ファッション誌「CanCam」からスタイリストとして鮮烈デビュー。ベーシックなスタイルにトレンドを上手に効かせた女性らしいスタイリングが亀流。同世代女性の圧倒的支持を集める人気スタイリスト。ファッション誌などで数多くの有名モデルのスタイリングを手掛け、モデルのほうからも指名されるなど、彼女のセンスを信頼している著名人も多い。また、自身も美人スタイリストとして、トークショー、テレビ、広告出演やラジオなど幅広く活躍中。フライドポテト&手作りジンジャエール専門店「BROOKLYN RIBBON FRIES」(@246common)の共同経営するなど活動の幅を広げている。

●オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/kame-kyoko/

●2冊目となる著書『スタイリスト亀恭子TOKYO NEW STANDARD: 「シンプルなのに新しい」亀スタイルのすべて』小学館より発売中

まずは、ファッションのこと

働く女性は、特に仕事での第一印象って大事。ここぞ!という時にバッチリとキメるスタイルや、この人の言うことに耳を傾けようと思ってくれそうな好印象を感じさせるポイントがあれば教えて!

 一般的にお仕事のマナーでいうと、知的な印象を相手に与える色のネイビーやブラック。白や淡い色のものはその人を柔らかく優しく見せるけど、大事なプレゼンなどの時はちょっと目的が違うかな。知的感やできるオーラをファッションでも演出してあげるほうが相手も安心して耳を傾けてくれるし、視覚的にも落ち着いて集中できる色を軸にしてスタイルをつくることが一番近道。意外とノーマルで簡単な法則でしょ。

 ただお仕事の内容にもよると思うけど、アイデアや発想力、想像を膨らませてディスカッションしたい場だと、上下黒やネイビーでは面白みに欠けてしまう。その時は、黒やネイビーを軸にして、例えば、チークがピンクでネイルもきれいな女性らしいピンクだったり、時計のベルトが爽やかなブルーで実はバッグもブルーだったり。小物で差し色を取り入れていく手法は、割とファッションの基本のきの字なのです。お仕事の場でちょっと気を利かせたい時にこれみよがしにお洋服自体で遊ばないほうが、私は正解だと思う。襟ものを着るとかジャケットを身につけるとか、きちんとお手入れされた靴を履いていくとか、そういった細やかな気配りは大事にしたうえで、相手により好印象を与えるには、あとは色の差し方ということになるかな。

まあ、差し色を上手に使うのも、2点まで。私のなかでは。(笑)

【とも】差し色か〜。意外かも! 気合いが入っちゃうと服そのものをどうにかしようって思いがち。差し色ってなかなか難しくて意外とできないかも...。ファッション上級者だよ。簡単にできることなのかな。しかも、2点まで?(焦る)

 もっと簡単に。バッグに色が合ったら近しい色のファッションアイテムをどこかに、じゃなくても例えば名刺入れやノートとか今日の気分に合わせて水色のポーチとか。実はそんなところ人は見ていなかったりするかもしれないけれど、自分はちゃんと準備して余裕をもって出かけたぞという気分もとても大事。それに、「あ、あの人昨日赤いワンピ着てたよね」という強い印象ではなく、差し色2点を心がけてコーディネイトすると、ちゃんと気にかけてる人という印象が残るでしょ。朝は忙しくてそんなことなかなかできないけど、本当はそのくらい余裕をもって準備ができるといいよね。

【とも】余裕をもって、ね。確かにお洋服選びは、その日の自分の気持ちが表れると同時に、その日会う人を想像しながらコーディネイトを考える。

 デートの時やプライベートな席だと、上半身を華やかにして視線を顔回りに集中させるために、最後の仕上げは耳にちょっと華やかなピアスを添えたり、スカーフで綺麗な色を差してみようとか、よくファッション誌では提案をするの。でも、お仕事の時は、まず立ってご挨拶で名刺交換から始まるでしょ、座って話もするけれど、最後はまた全身が見えて印象が残る。だから部分的なスポットというよりも割と全体で見られることが多いと思うの。その時にファッションにも気を使うところが垣間見られると「あ、この人は、清潔感があって、品もあるし、きちんとご挨拶もできて、信頼できるな」みたいな。

【とも】なるほどねー。例えば、相手が男性で初対面の時、パンツ? それともスカート? 私は結構気を使い、初対面はパンツで、慣れてきたらスカートということが多いかも。で、とりあえず最初は無難にブラックを着ることが多く、かなりきついイメージを与えてしまっているかも。

 なるほど! 黒のパンツはキャリア感・できる感が出るね。それも大事だけど、それが一番前に出てきちゃうんだ、ともちゃんの場合。ま、相手にもよるけど、初対面はスカートかな、ふんわりと。で、上をきちんとさせる。

 信頼できる人かどうかは実際話しながら伝わっていくものだから、最初の第一印象は、つまり見た目はその人を表すキャラクターそのもの。ファッションは名刺がわりみたいなもの。

 大切にしたいことは、

  1. 品があること、2. 清潔感があること、3. 女性らしく今どき感があること。

 それらがつまり、楽しそう! この人と話したいな!ってことになる。

【とも】そうだよね。第一印象で、話したいなって思ってもらう。きちんとした話ができそう、っていういい印象を持ってもらうことが大事。

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女性が働くことについてどう思う?

女性の人生では、ライフイベントと言われるように結婚して出産や子育て、そして介護などあるでしょ。会社員の人もいるけれど、亀ちゃんのように自分そのものが仕事というような人もいて、亀ちゃんはそれに対してどう向き合っていこうと思う?

 働く場所があるならば、必要とされる場所があるならば、この先に結婚したり子供を産んだりしても、できる範囲でやりたいなと思っているの。それは何なのだろう、何のためなのだろうって考えた時に、まさにこの前とある方が言っていたのが「ライスワーク」と「ライフワーク」。つまり「ライスワーク」というのは、ゴハンを食べるための仕事。あ、なるほどーと思って! でも、できれば理想は「ライフワーク」にしたいよね。それはつまり、自分の人生を豊かにするための仕事。私もそれにはすごく共感! 人生をカラフルにするために私は働いているなと、この前思って。

【とも】きゃあ。すごーい、素敵な言葉!!

 そう、そう! そっちのほうがきっと楽しいよね! きれいごとを言えば、そう。生活のためにというよりは、もちろんおいしいもの食べたいという気持ちはあるけど、何よりもそういう仕事をしているといろいろな人に出会える。こうやってともちゃんに出会えたのも今の仕事を通じての繋がりだし、家と近所の職場を往復するだけの毎日だったらきっと出会えなかった。

 毎日フルアクセルで過ごしていると、時に疲れることもあるけど(笑)。でも、その分の絶対的な対価はある。人との出会いしかり、お金だけでなく得るものがたくさんある、ということを知ってしまったから。

【とも】知ってしまったからって、何歳の時にそれを感じたの?

 今の仕事をしてからかな。23歳の時に前職を辞めて今のスタイリストになって。いろんな人に会うし、喜びも増えたけど、その分しんどいことも苦労も増えて高低差が激しいのは事実、でも私は割とそっちの方が緩急あってなんか楽しい。今の仕事をして、めりはりがあって仕事をするってこんなに楽しいことかって思った。ライスワークの感覚で仕事していると、「あー、今日も行かなきゃ」「あー、まだ3時だ」「5時なのに仕事が終わらない、本当に嫌だ」そんなふうにしか考えていないことが多いかも。私も前の仕事の時は、いい会社だったけど割とそう考えがちだった。いい仕事、楽しい仕事をしているときって、苦しいのは一瞬。体力的にあーしんどいって思うけど、精神的には残らない。

 だから今後、いろいろなライフイベントがあるかもしれないけど、楽しく仕事を続けていけたらいいよねって思うの。女性が働くことは大賛成!!

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仕事しながら自分自身を美しく保つ秘訣教えて!

そんな忙しい毎日を送っている"美人"スタイリスト亀ちゃん。健康や美容で気をつけていることはありますか? これは毎日欠かさずやってるとか。

 実は...私、あまりストイックじゃなくて、普段食べるものは気にしていないの。たまたまフルーツが好きで、みんながしているようにお水をなるべく取るとかくらい。どうしても外食が多くなっちゃうけど、インスタントやレトルトのものは食べない、外食が多いと塩分が多いというけど、あまり気にしていない。なんか一人で頑張って超ヘルシーなものをつくって食べるよりも、何人かで笑顔と共に食卓を囲んでいる方が全然健康にはいいと思ってるの。だって楽しいから!

【とも】きゃあ、そうだよね。私もそれ同感〜!!!

 そうそう! そっちの方がいいよね〜!!って思って! でも、一人好きの寂しがり屋だから私。寂しいからみんなといたいのに一人好きなところもあるから、たまに、あー今日はまっすぐ帰ろうと思って、家でなんか適当に丼つくって食べるとかということもたまにあるけど。そんなに食べ物にストイックになってないの。ただ食べ過ぎないように。超たらふく食べて飲んだら、次の日はちょっと軽くしておく。1日単位でリセットする。

 あとは、階段は、なるべく...あ、絶対歩く。あ、大江戸線も歩く(二人爆笑!)。大江戸線きついよね〜。きつくてくじけそうになるけど、ジムに通うことは続かないから、できないからそういうことをする。たまにちょっとくじけてワンブロックだけエスカレーター乗るとか。その時になるべく呼吸を整えて姿勢や背筋もきちんと気をつける。それだけなら、ジムで1時間集中的にやらなくてもいいでしょ。極力移動中にできることをやる「ながら○○○」が多いの。

 あと肩甲骨を1日100回、回し続ける。肩甲骨って体の全てと言うでしょ。肩に手をつけて、朝50回夜50回。回すと頭もすっきりするの。待ち時間できるから、基本的に続けられることをやる。これらのことはすごく小さくて大したことじゃないけれど、私は毎日絶対に欠かしていない。必ず毎日続けることで、割とその効き目があるの、多分(笑)。習慣がついてくることが大事。まあ...そのくらいしかしていません!!!

【とも】大江戸線で歩こう! 私も。あとね、亀ちゃんは肌がめちゃめちゃ綺麗なの。普段何をしてるの?

いたって普通。特別なコトはしてないのだけど、普段気をつけていることは、保湿をしてあげることと、"メイクをしないday"をできるだけつくってあげること。睡眠をとるのと一緒で、肌もお休みする日がある方がいいだろうという持論で。よく日焼けすることを過度に予防している女子が最近多いけれど、私は太陽の光からもらう栄養素もあるから光合成するのと一緒で太陽の恵みはもらおうという考えで、意外と緩いかも。顔は日焼け止めは塗るけど、日光にあたるのも好き。うーん、だけど日焼け止めのグローブをしたりとかはしない。性格的にできないということもあるけれど。(笑)

【とも】ところで、朝はどんなふうに過ごしているの?

 最近スムージーにはまっている人が多く、私もマイブームがあって飲んでいた時もあるけれど、つくって飲んで...ちょっと手間かかるよね(笑)。だから朝はいたって簡単。起きたら、まず常温のお水を一杯飲むの。寝起きの体を浄化してあげて体全体に水分を通してあげる。それで、スムージーとか正直面倒だから、皮を剥くだけでOKなフルーツを食べるようにしているの。キウイは半分に切ってスプーンですくって食べられる、バナナも皮剥けばいいし。ピオーネはそのまま食べられる!っていう感じ。皮を剥く以上のことは、朝そんな余裕なくて(笑)。でも、"朝の果物は金"っていうから、ね!

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今後、機会があれば挑戦したいことは

 スタイリストという仕事で、メインにしたいのは自分の年齢に合わせて同じ世代の人たちに発信していけたらいいな、と思っているの。例えば109のカリスマショップ店員だった森本容子さんは、30代を目前に迎えた時に20代に似合っていたデニムはもう違う、いま本当に着たいのはこれじゃないと感じて、新しいブランドを立ち上げた。その時代のリアルな自分の気持ちや実際の年齢や体験がちゃんとブランドに投影されていたから、多くの同じ世代に共感を得てヒットしたのだと思うの。

 私もそういうスタイルがいいな。もうすぐ40になる時に40代に提案するファッション。もっというと、私がおばあちゃんになった時に(まだ続けていられるかな)、同じ世代にいいと思えるスタイルを提案、発信できる人だったらいいな。もちろん自分の世代だけを狙って仕事していくわけにはいかないけれど、自分の成長や年齢を重ねていくとともに、一番得意とするものを発信して、そこにリンクしたものから新しいことができるといいと思う。

 スタイリストとは全く違うBRF(ブルックリン・リボンフライ)を246commonで2年前に始めたことは、自分にとってすごく大きな転機で新しいチャレンジだった。大好きな「食」を、大好きな仲間と表現するBRFは、もちろん大事にあたためてこれからも育てていきたい。

 そしてファッションだけじゃなく、ライフスタイルをトータル的に提案できたらいいなとも考えているの。例えばロン・ハーマンがライフスタイル全体を提案して演出しながらトータルで販売していることが日本での成功のカギとも言われていて、ここ5〜6年で一気にそういうお店が増えているよね。ファッションは、もともと生活に紐づいているものだから、そのバックグラウンドであるライフスタイルを私の視点から提案していくのはいいと思う。うん、面白いからやってみたい。つまり「衣・食・住」だね!

Brooklyn Ribbon Fries

http://brooklynribbonfries.com/

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Grace a vous 〜あなたのおかげで〜

今この仕事ができているのは、あなたのおかげです、という人を、そっと教えていただけますか。

亀恭子さん

「これはやはり師匠でしょう。渡辺 佳恵(わたなべ よしえ)さん」

 私はとても尊敬しています。情に厚くパワフルな女性。私がスタイリストのお仕事をするきっかけになった人。つまり師匠に誘われたのが、きっかけです。

 雑誌ページでの取材に協力していた時に、会ったこともなかった師匠から携帯に電話がかかってきて「アンケートを読んでいて、スタイリストに向いているかなと思って」って。まさに人生の転機でした。そしてお誘い受けてスタート切った女性誌のCanCamはこの頃に新しいことをいくつか試みていて、そのひとつがスタイリストを新しく育てるということだったらしく、たまたま白羽の矢が当たったのが私だった。それが23歳。その時の私は、自分に何ができるのか、そもそも何がやりたいのかよくわからず、でも何か新しいことがしてみたいとうずうずしていた。そんな時に偶然誘われたの。でも前の会社は正社員として働いていたので、すぐ辞めるという決断はなかなかできなかったけれど、これも人生のターニングポイントではと思い、やってみよう! やってだめならまた就職すればいいかな、と。なんか女性の人生のバイオリズム的に23歳24歳ぐらいの時はちょっとうずうずする時期かも。ともちゃんもフランス行きのこと考えたのはそのぐらいの時期だったでしょ。

 スタートした23歳のとき、師匠はエディターで、私はスタイリスト。レアなケースで師匠だけど職種が違う。いきなり経験もないのに、手取り足取り指導されながら、アシスタントという立場を経験せずにスタートを切ってしまったの。手厳しくいろいろ指導していただいて。精神的にはちょっとつらい時期もあったけど、愛情あっての厳しさがあったから、今の自分がある。

 現在、師匠は、自分の会社を設立されています。さまざまなものを全体的にプロデュースしている。書籍の監修や海外のブランドを日本にローンチするコンサルなど。あらゆる「ひと・もの・こと」をしている。今でも何かの節目には、お会いしています。とてもエネルギッシュな人。

■晩餐でのスペシャリテ

『根セロリとりんごのサラダ』

『フォアグラのポワレ・ごぼうと秋トリュフ』

ブラッスリー・ホロホロ

 亀ちゃんお気に入りのお店は、表参道にある「ブラッスリー・ホロホロ」。ここで亀ちゃんと一緒にお誕生会もしましたね。いつ来ても圧倒的に女性比率が高い。それはきっと感度の高い内装とおいしいお料理に加え、ここに来るとほっとできる雰囲気をつくってくださる素敵なマダム・岸淳子さんのお人柄かもしれないですね。元スタイリストだったという淳子さんのもとにはメディアの方々も多く訪れる。ほら、今回も知り合いがちらほら。亀ちゃんはBRFのメンバーにホロホロを紹介されて来店したそう。それからここの大ファン!

 さて、おすすめの逸品は、白ワインにぴったり合いそうな『根セロリとりんごのサラダ』。(「恭子ちゃんはいつもこれを注文するの」by淳子さん)そして、この時期ならではのおすすめは『フォアグラのポワレ・ごぼうと秋トリュフ』。フォアグラとトリュフの香りがもうたまらない逸品です! もうこれだけとワインがあれば最高です! ホロホロのお料理は、どれもおいしくて、ボリュームもあるから男性でも大満足。

細田さん.png

brasserie holoholo

http://b-holoholo.com/

この記事を書いた人

細田 知美
Senior PR Planner

コンサルタント。メディアプロモーター。ファッション誌ライフスタイル誌モノ誌など雑誌の世界を中心に、メディアとのコミュニケーションを築きながら日々活動中。フランス在住経験や、元ジュエリーデザイナー、秘書、広報PRと多様な経歴を持ちインフルエンサーとの交流も多方面に広がっていて、メディアプロモート活動にも大いに生かされている。

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