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細田知美のMerci ! インタビュー/経済キャスター/ジャーナリスト・谷本有香さん『成功する一番の秘訣は 話を「聞く」方法にあった』

キーパーソンの声

2015/12/30細田 知美

Episode.6:

成功する一番の秘訣は、話を「聞く」方法にあった

Bonjour! Comment ca va ?

今回は、経済キャスター/ジャーナリストとしてテレビでもご活躍の谷本有香さんです。

2年ほど前に、作家のジョン・キムさん主催の朝の勉強会で有香さんに初めてお会いしました。第一線で活躍されている女性が多く集まる中、ひときわオーラを放っていた有香さん。近づいてお話ししてみると包み込まれるような優しさにあふれ、近くにいる人を安心させる魅力のあるすてきな方でした。何といっても、初対面である私の話にも、耳を傾けて頷きながら話を聞いてくださって、とても心の広い方という印象を持ちました。その後別の機会では、日本の子育て環境についてや女性の貧困と雇用に関する深いお話もさせていただきました。有香さんの言動からは得るものそして考えさせられるものが多く、私が尊敬する女性のお一人です。

今年2015年7月に刊行された書籍『なぜかうまくいく人の「聞く」技術』を中心に、人とコミュニケーションをとるのに効果的なことは何か、またジャーナリストとして今後取り組んでいきたいことなど、谷本有香さんにお伺いしました。

谷本 有香 たにもと・ゆか  谷本有香様 1jpg

経済キャスター/ジャーナリスト/コメンテーター

証券会社、Bloomberg TVで金融経済アンカーを務めた後、2004年米国でMBAを取得。その後、日経CNBCキャスターに。2011年5月からは同社初の女性コメンテーター。同年10月からフリー。これまで、トニー・ブレア元英首相、マイケル・サンデル ハーバード大教授、ジム・ロジャーズ氏、スティーブ・ウォズニアック米アップル共同創業者などの独占インタビューをはじめ世界のVIPたちへのインタビューは1,000人を超える。 http://www.yukatanimoto.com/

最強のコミュニケーションツールはこうして生み出された

『なぜかうまくいく人の「聞く」技術』は、どんな人へのメッセージ?

 

 突然ですが、「あなたの周りに一生懸命頑張っているのに結果が結びつかない人、思うような成果が出ていない人」いないですか。ビジネススキルの本を何冊も購入して読んでいるのに...。まさにそういう人にこの本は読んでもらいたいのです。私自身のキャリアと経験から生み出された"アクティブリスニング"という技術。これを使うことによって、人とつながるようになったり、成果がでやすくなするのです。

私がかつて在籍していたブルームバーグテレビジョンでは、仕事の評価とはズバリ"スクープを取ること"という米企業でした。米のアンカーのように相手に切り込んだり、聞きづらいことを何の前触れもなくズバリ聞いたりするようなアメリカスタイルで多くの日本人に取材をしていて、実は良い結果がなかなか出せずにもがいていました。しかし、繰り返しいろいろな人と会い取材をしていく中で、結果を出すためには、まずうまくコミュニケーションを取る事が必要だということに気づき、スキルも徐々に溜まっていきました。そして、その名も「アクティブリスニング」という、相手の"話を聞く"ということをベースにした最高のコミュニケーションツールに、辿り着いたのです。

拝聴することで相手を立てる、という文化を持つ私たち日本人にとって、自分の言い分を一方的に主張しまくるのではなく、相手の話をじっくりと聞いてあげることのほうが、実はコミュニケーションにとって重要であり効果的なのです。私が今までにインタビューしてきた1,000人のトップの人たちも、同様に聞くことの大切さをうたっています。自らが多くを話さなくても、相手の意思を十分に聞き、汲み取ることで、ポイントを的確に伝え、十分な成果に結びつけることができるのです。ですから、むしろプレゼン慣れをしていて、自分は話すのがうまいと思っている人にこそ、この「アクティブリスニング」を知ってもらいたいと思っています。

二人写真.jpg

電通PRの新人さんへ

初対面でのコミュニケーションにおいて重要なこと、教えます!

 初めて会った人にインタビューをする時、とにかくその瞬間から目の前のその人を大好きになることが最も大切だと思っています。自分が相手から持っているものを引き出そうとする時、なんとかうまく丸め込もうと考えたり、表面だけ取り繕えばいいというようなことを考えたなら、よいコミュニケーションは成り立ちませんし、よい話を相手から引き出すことはできません。ですから、まずはこちらの好意を相手に伝える。そうすれば、相手も好意的によいコミュニケーションを取ろうという姿勢になるのです。話を引き出すというのは、そこからです。

電通PRの新人さんが、メディアを訪問して初対面の人とコミュニケーションを取る時に気をつけるポイントを伝授します!

●準備:会うことが決まったら、その人の情報をとにかく集める。執筆記事はもちろん、ネットやSNSで検索したり、その人とつながりのある方に最近のことなどを聞いてみるとさまざまな情報が得られることがあります。また、それがひいては、新たなコミュニケーションを生み、人間関係が広がることにもつながります。さらに、事前の情報収集は、実は自分自身の安心感にもつながるのです。調べる過程でその人のことを知ることができ、初対面なのに一度会ったような気になったりするのです。そうすることで、初対面特有の緊張感がなくなり、よりスムーズで深いコミュニケーションを取ることができるのです。

●いよいよ本番:「大好きな人にやっと会えた!」。これを最大限に表現しましょう。その好意とわくわく感を相手に伝えることが、相手の警戒心をとりはらい、好意を持ってもらうことにつながります。「大好き!」にプラスして、自分自身のことを知ってもらうために、新人として素の部分を出してもいいと思いますし、自分自身の興味、つまり自分が気になる相手のファッションを褒めてもいいと思います。とにかく「肩書」を取っ払い、短時間でPerson to Personな関係になることが、相手にとって気持ちのいい状態をつくり、いろいろと話を引き出せるようになるのです。

●もしも...あっけなく短時間で終わってしまいそうな時は:コミュニケ―ションを取ろうと最大限の努力をしても、無理な時もありますよね。そんな時はきっぱりと諦めます。相手の緊張感も取れず話を引き出す状態になれないのに、効率化を図りマシンガンのように伝えたいことだけ言っても、やはり相手はそのあざとさや、独りよがり営業の傲慢さに気づいてしまうのです。そんな時は、一回目で結果を出そうとしないぐらいの心の余裕を持ちましょう。そして自分が伝えたい情報はおいて、全く別のことを話題に出したり、質問したりしながら、自分との共通項や相手の興味を探り、二回目以降につなげていくのです。とにかく「ここで決めてしまおう」という焦りや、自分さえよければという利己の気持ちを捨てることが重要なのです

以前、私がある著名人にインタビューする時、お迎えするにあたり相手の好物を取り揃えて、お迎えしたのです。たとえば、大好きなクッキーとコーラを机に並べるといったことです。そんな些細な事で、相手の緊張感も解け、心を開いてくださるのです。

ですから、会う時の場所選びも重要だと思います。ここぞという時は、可能であれば会社の殺風景な会議室ではなく、すてきなカフェや綺麗な景色が見える部屋を用意するなどすると、とてもリラックスした空気感がつくり出され、結果的に良い面会になったりするのです。

なぜ、私はメディアとして伝え続けるのか

印象深い仕事を一つあげるとしたら

私が山一證券破綻の、その渦中にいた時、会社に対する過剰なまでの見せしめのような報道がなされていたのを、ただ茫然と見ているしかありませんでした。この一件で必ずしもメディアは真実のみを伝えているのではないということ、そして、時に、それが暴力となって叩かなくてもいい人までも叩いてしまうのだということを痛感せざるを得ませんでした。それから私はメディアに関わることで、私なりに「真実」を伝え、憎しみや糾弾の代わりに、喜びや希望を生み出していこうと心に決めました。

後にリーマンショックにつながるサブプライムローンの問題には、欧米市場の動向を伝える報道に携わっていたことでいち早く気づき、かつての山一のことが脳裏に蘇りました。そして、いざリーマン・ブラザーズという巨大な金融機関が崩れ落ちるその時に、私は自ら構成と出演を担当し、リーマン破綻の特番をリアルタイムで放送しました。その時に気をつけたことは、まさに山一證券の崩壊の時に学んだことなのです。真実のみを伝える。ショックや悲劇をあおらない。そして、解決策と明日への希望を伝える。結果、この番組は社長賞を取ったのです。それは、私の山一證券での学びがようやく活かされた瞬間でした。これからもその思いに忠実にメディアと向き合っていきたいです。

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今後どんな仕事に取り組んでいきたいですか

ジャーナリストとして、真実を伝え続けたい

私は、これまで金融や経済を専門として報道に携わってきましたが、今、それらの分野と同じくらい注力しているのは、介護・社会福祉分野です。それは、私自身の壮絶な介護経験に基づいています。この分野にしても、日本の報道は、不安感を増長させ、恐怖をもあおっているものも少なくありません。勿論、そういう報道の仕方、視聴者への喚起の仕方もあると思います。しかし、それだけではなく、特にこれからは光の部分にもスポットを当てていきたい。そのために、表層的なことを感情的に伝えるだけではなく、物事の本質を理解し、そして、その問題への処方箋をお渡しできるほどの情報への深い理解が必要なのではないかと思うのです。

これまで、介護・福祉分野に関しては2年以上にわたり取材をしてきて、機会があればより本当に困っている人にリーチができるような働きかけ、例えば、介護する人、される人たちがより生きやすい世界になるための制度を作ったり、高齢者のために、企業とサービスや製品を作り出していけるお手伝いができるような、そんなこともしてみたいです。

これからも「事実をきちんと伝える」という軸をぶらさず、ジャーナリストとして活動を続けていきたいです。

日本は変わる?変わらなければ!

2015年はどのような年でしたか、そして2016年は?

2015年は、「ものづくり大国・日本」に、ほころびが見えた、時代の転換期だと思いました。なぜなら、オリンピックの新国立競技場問題や、杭打ち工事の建築の問題など、これまで日本の良さであった精緻な「ものづくり」の根幹をゆるがすような出来事がありました。その背景には、もともと日本人にある「三方良し」の精神がゆるんできているところから起きていると思うんです。アメリカ流の資本主義が入ってくる前は、「利他」という相手のために行動したり、相手のことを慮るということが自然とできていたはずなのに、今の日本は利己という概念に、短期的な利益に、がんじがらめになっています。そのほころびを政治面でも経済面でも感じます。来年は日本を見つめなおすきっかけになるような年になると思います。

― 日本は変われますか?

変われると思います。それには2020年は大きなチャンスです。日本がどういう国かをいろいろな角度から世界中にプレゼンすることができるのです。世界中が注目するスポーツの祭典でこの規模のものはもちろんなかなかない、だからこそ、これがチャンスなのです。日本は、一番手の後を追う二番手で動くことを得意としていたと思うのです。しかし、自分たちがホストとなって、はじめて一番手として価値を生み出し、発信すべき重大な場にオリンピックはなるはずです。そのためにはどうしたらいいのか、日本という国に良さを改めて見つめなおし、そして、日本がどんな国になりたいのかをきちんと定めないといけない。新生日本の出現に向けてあと4年間でなんとかしないといけないのです。

人生を一分一秒で計画する人たち

「世界トップリーダー1000人が実践する時間術」

今年2015年に出したもうひとつの書籍が「世界トップリーダー1000人が実践する時間術」です。私がこれまでインタビューしてきた約1000人のトップリーダーの方々には沢山の共通点があります。そのひとつが「時間術」です。彼らは、目の前の時間や、自らの人生を「秒」や「分」の単位で考え、一秒でも無駄にしないという強者たちです。なぜ、そんな一秒さえムダにしないのか。それは、彼らには成さなければならないこと、成したいことが山程あるのです。そして、明確な、確固とした「夢」や「目標」を持っているからこそ、いま目の前にある「一秒」という時間さえ重要視する「時間管理」や「配分」ができるのです。つまり、それがトップリーダーになる条件でもあるのです。

終わりに...。私のインタビューどうでしたか

有香さん) 正直、ちゃんとアクティブリスニングができていて、話を引き出せていると思います。会話にぎこちなさがなくて、流れもスムーズ。このままで大丈夫ですよ。

知美) ありがとうございます! でも、インタビューって本当に大変ですよね。時間が決まっている中でコミュニケーションを取りながら、記事できるだけのことを相手から引き出さなくてはいけない、実は難易度の高い作業。プロデュース力もないと難しいですよね。有香さんはそれを1000人もの初対面のトップリーダーにされているって、尊敬します。(嬉しいコメント、有香さん、ありがとうございます。)

S'il vous plait me dire le meiller.

有香さん! 本当は教えたくない"お仕事で成功するお店"を教えてください!

こちらで打ち合わせをセッティングすると、まずはいいお話の流れになります。眺望も大事ですよね。

■『芙蓉』KKRホテル 竹橋

 緑豊かな皇居の杜を一望できる窓際がおすすめ。眺望に気分も上がり話も弾みます。経営者の方は必ずといっていいほど気に入っていただけます。

 http://www.kkr-hotel-tokyo.gr.jp/restaurant/fuyo/

この記事を書いた人

細田 知美
Senior PR Planner

コンサルタント。メディアプロモーター。ファッション誌ライフスタイル誌モノ誌など雑誌の世界を中心に、メディアとのコミュニケーションを築きながら日々活動中。フランス在住経験や、元ジュエリーデザイナー、秘書、広報PRと多様な経歴を持ちインフルエンサーとの交流も多方面に広がっていて、メディアプロモート活動にも大いに生かされている。

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